読者の皆様へ。感謝の言葉。

読者の皆さまへ

このたびは、私の朝日の投稿記事にたくさんの反響を頂き、ありがとうございました!Eメールやフェースブックを通して30人以上の方から感想をいただきました。毎日新聞時代を含め、一つの記事で、こんなに多くの方から感想を頂くのは初めてのことでした。

新潟の実家にも「感動した」などとの電話があったようです。もちろん、全員、知り合いの方なのですが、数年、音信不通になっていた従兄弟や、普段、ほとんど連絡を取らない知り合いが大部分を占めました。

国際機関の元職員で、結婚して日本に戻られた友人(女性)は、短期コンサルの仕事を見つけたが、出産を機に契約が更新されなかったということです。「日本で女性の働きづらさを実感しました」といい、私の記事が「心に響いた」と言っていただきました。

もうすぐ2人目が生まれるという30代男性の方は、地方支社で働きながら、何とか育児と仕事を両立させているということです。しかし、これから本社に上がることになれば、育児に費やせる時間がなくなることを危惧し、「育児の後に、当たり前のように就職活動できる社会になってくれたらいい」と指摘しました。

ジェンダーを専門にされているある大学の非常勤講師の方(女性)によると、「日本の男女共同参画といわれるものは、どうも、女性ばかりになっていて、育児や介護をしたいといっている男性を支援する対策が見落とされがち」ということでした。

子どもが二人いる友人(男性)は、これまで、夫婦間の、家庭観や子育てに関する認識の違いで、家庭的危機が何度かあったそうです。「その認識の違いの大元の原因が、日本の社会にあると思います」と指摘し、「女性をもっと社会に登用しようということ自体が、とても男の世界の発想」と、政府の政策に対しては、何かしらしらけるところがあったということですが、「黒岩さんの文を読んで、具体的ないい言葉が見つかった気がします」と、これまた最高のお褒めの言葉を頂戴しました。

これだけ多くの感想をいただき、私も何か原点に立ち戻ることができたような気がします。すでに、何百本のブログ記事を書いてきましたが、これまで一度も読者の皆さんに「お礼」をしたことがなかったことに気づきました。最初に私が何か書こうと思い立ったのは、20歳のとき、タイの難民キャンプを訪れたときでした。そのときは、「誰も私の文章なんて読んでくれないだろうけど、でもせめて、親くらいは読んでくれるだろう」という思いがペンを走らせました。読み手あったの書き手なのです。

だから、今回、皆様のおかげで、もっと書こうというエネルギーをいただきました。ながーくて、つたない文章ですが、どうか、これからもよろしくお願いします。皆様から色々勉強しながら、一字一字、ゆっくり綴っていきたいと思います。また、心に響く文章が書けるように。



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9月14日 朝日新聞朝刊 「私の視点」に掲載されました

朝日記事


 成長戦略の柱に「女性の活用」を掲げる安倍晋三首相は、改造内閣で過去最多に並ぶ5人の女性を閣僚に起用し、「女性活躍担当相」を新設した。「一歩前進」という声を聞くが、最近まで専業主夫だった私にはしっくりこない。「活用」「活躍」などと聞くと、これまで女性たちは社会に活用されず、活躍してこなかったかのような印象を与えないだろうか。

 報道によると、従業員300人以上の企業対象の調査で管理職への昇進を希望するのは男性6割、女性1割。女性が希望しない理由は「仕事と家庭の両立が難しくなる」が最も多い。総務省調査では、未就学児がいる共働き夫婦で家事や育児の時間は妻が夫の6倍だ。女性は男性より育児や家事の現場で「活躍」し、「活用」されているのだ。

 私と妻は2人とも国連職員だ。4年続いた別居生活に終止符を打つため、「待遇がより良い方が働き、もう片方が主婦/夫になる」と決め、昨年1月、私が主夫になった。

 妻が赴任したアゼルバイジャンでは、配偶者に就労許可は出ない。毎日料理本を見ながら食事の準備をするうち、結婚5年目にして初めて、妻がチョコレートケーキやカレーが苦手で、トンカツや酢豚などの揚げ物が大好きなことを知った。毎週木曜の朝は、欧米出身の主夫仲間とのお茶。大手石油会社などで働く妻に寄り添う彼らは、家族を第一に考える生き方を実践していた。私も負けじと、サケコロッケやアクアパッツアなど料理のレパートリーを増やしていったものである。

 3月からは妻が主婦となり、私がジュネーブで働いている。これまでは職場などで成果を残すことに執着して感情的な口調になり、人間関係がギクシャクすることもあったが、いまは感情を抑制できている。専業主夫を務めて夫婦関係が強固になったことも影響しているのかもしれない。

 私は主夫となり、社会的地位よりも家族や隣人に寄り添う大切さや素晴らしさを初めて学んだ。こういった「主婦/夫」の活躍をアピールしてこそ、家事や育児の現場で活躍したいと思える男性も増えるのではないか。

 首相に提案したい。まず男性部下たちに育児休暇取得を奨励してはどうか。彼らの家事、育児体験談を社会に発信し、自治体や民間企業の模範になってほしい。日本の男性の育児休暇取得率は他の先進国に比べて極端に低い。男女を問わず、隣人に寄り添う力を養ってこそ、国の成長が実現するのではないだろうか。

 (くろいわようこう 国連難民高等弁務官事務所職員)
プロフィール

seventh star 7

Author:seventh star 7
黒岩揺光  
1981年、新潟生まれ。7人兄弟の末っ子。15歳で米国留学して以来、住んだ国は計8カ国に。海外生活計17年。日本では毎日新聞記者、アフリカでは難民キャンプの工場長、アゼルバイジャンで主夫、ジュネーブで国連職員などを歴任。現在は中東ヨルダンで妊娠した妻に寄り添う専業主夫。
 著書に「僕は七輪でみんなをハッピーにしたい」(ユーキャン)「国境に宿る魂」(世織書房)。
メール連絡先 yokuroi×hotmail.com (「×」を「@」にしてください) ツイッター:@YokoKuroiwa

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