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私は女性の味方ではありません

5月21日のブログ「日本に馴染めない日本人」に、友人Sさん(30代男性)から、とても興味深い反響を頂いたので、紹介させていただく。


「やりたい」ということが前提となっている「仕事」ですけど、仕事ってそんなに楽しいんですか?そう思う人がうらやましいです。共働きしないと生きていけなければ2人とも働く、一人でいいなら収入が多く安定した方が働く。仕事しないでも生活できるなら働かない(最高)、と私は思います。また、いわゆるエリート層じゃなくて、育児・家事は誰かにしてもらい、自分は外に働きに出たいという女性が日本にどれだけいるのか興味があります。極地サンプルで恐縮ですが、うちの兄嫁は「外で働くの絶対にやだ」というタイプです。


読者の方たちが、「みんな仕事がやりたい」という前提で私が書いていると読み取ってしまったら、それは、私の表現力不足だ。Sさんが言うように、私は、「今の仕事に生きがいを持っているか?」「毎朝、仕事に行くのが楽しみか?」という質問に、「はい」と答える人は、とても少ないのではないかと思っている。そして「1年や2年、仕事を中断しても食べていけるなら、育児や家事、または趣味に没頭してみたいと思う事はあるか?」という質問に「はい」と答える人は、結構、いそうな気がする。(勝手な想像ですいません)。

「男が外で働き、女は家庭を守る」という考えを正当化する人が使う議論に「妻が仕事したくないって言うから」「女性だって寿退社したいって言うじゃないか」というものがある。実際、私も、日本で「早く結婚して仕事辞めたい」という女性に何度か出くわした。

他にも「女性の能力を活用するっていうけど、社会全体の利益のために、育児に生きがいを持ってやりたい女性の自由を奪ってはいけない」という男性もいた。

しかし、これらの議論は、問題の本質を突いてない様に感じられる。もし、「今の仕事に生きがいを持っている」「毎朝、仕事に行くのが楽しみで仕方ない」という人が少ない場合、「早く結婚して仕事を辞めたい」という人がいるのは、ある意味、自明のことではないか?

問題は、女性には「結婚」を理由に仕事を辞める権利が社会的に認知されているのに、男性には認められていないということではないだろうか?育児に生きがいを持ってやりたい男性だって潜在的にはいるのではないだろうか?

私は結婚する前から、妻の方が待遇の良い仕事に就く可能性があるだろうと思っていた。お互い難民支援という世界を渡り歩く仕事を志していたため「どうやって家族と仕事を両立するのか?」という質問を受けることがよくあった。親戚が集まった所で「妻の行く先に私が付いていくこともありえるかも」と言ったら、年上の従兄弟(男性)が失笑し、私の兄弟の方を見て「え?何か弟さんが言ってますけど、大丈夫ですか?」と言った。
また、ケニアにいる時、ある夕食会で、日本人の男友達が「実は、私も育児とか家事の方が向いていると思うから、女性に付いていきたいのですよ」と言った。それを隣で聞いていた別の日本人の男友達は「ええ?本当ですか?○○さんは仕事がない生活に耐えられないと思いますけどねー」と頭から否定しようとしていた。

男は家庭の大黒柱。男は常に仕事すべし。「女性は家庭を守る」という固定観念が、働きたい女性を束縛するのと同様、「男は外で働くべし」という固定観念が、「少し休みたい」「子どもと時間を過ごしたい」と考える男性を同じ様に束縛してはいないか?今月の朝日新聞の世論調査で、「男性も育休を取るべき」と考える男性が実に75パーセントもいることがわかった。しかし、実際、取っている人は2パーセントで、取得できない最大の理由が「職場の理解が得られない」だった(5月21日朝刊社会面)。

女性の友人から「ようこうは女性の視点で書いているね」という指摘を受けた。 しかし、私は、このブログを新タイトルで書き始めた時から、男性の「ちょっと休みたい」権利を擁護したい一心で書いている。

私の父が先週、脳梗塞で、一瞬、体半分が機能しなくなった。医師である父は、脳梗塞の時にどういう処置をとるべきかは熟知しているはずだ。にもかかわらず、「大丈夫。これから診療があるから」と仕事に行こうとし、同じく医師である兄が「手遅れになる前に検査しないと!」と無理矢理抱きかかえて病院に連れて行かなければならなかった。

なぜ、そこまでして仕事に行かなければならないのか?父の中にある「俺は家族の大黒柱。息子の前で弱音は吐けない」というプライドが、体半分動かなくなっても仕事へ行かせようとしたのなら、「男は外で仕事すべき」という固定概念が、どれだけ男性を不平等に扱っているのかわかる。

大学時代、ビルマ(ミャンマー)北部、カチン民族という少数民族が暮らす地帯の専門学校で、ボランティア講師として「社会学」を教えたことがある。16—25歳の男女70人と、「男女平等」などについて議論した。ある18歳の女子生徒は課題作文で「男女平等は、女性だけでなく、男性にとっても利益があると思います。私の父は、家族の問題をいつも一人で抱え込み、お母さんや私たちと相談してくれませんでした。だから、お父さんはいつも苦しんでいました。もし、男と女が協力して家族の問題を話し合うことができれば、お父さんはもっと楽になれたのだと思います」と。

「男女平等」は「女性の権利擁護」と同義語ではない。そして、私はあくまで男性の視点からこのブログを書き続けたいと思う。

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大学病院で医師として働いていた時に、同僚の非常に仕事のできる医師が子供の運動会やバスの送り迎えの順番決めの会合などなどでよく休みを取っていました。
その時に「男性が率先してそういう休みを取ってくれると自分が同じ状況になった時に取りやすいから本当にありがたいなー」と当時独身ながら思ったものです。
男性がもっと育児休暇や子供が病気の時のタイムオフが取るようになれば、女性の感じる後ろめたさは軽減され、男性も女性も子育ての大変さ楽しさを分かち合うことで、もっと成熟した社会になるんじゃないかと思いました。
お互いに迷惑かけあっていいんじゃないでしょうか?

No title

実は私の母親は名刺に「迷惑をかけ合おう」と書いています。本当にそう思います。そういう人がもっと全面に出て前例を作り、周りが支えて、社会が変わっていければと思います。
プロフィール

seventh star 7

Author:seventh star 7
黒岩揺光  
1981年、新潟生まれ。7人兄弟の末っ子。15歳で米国留学して以来、住んだ国は計8カ国に。海外生活計17年。日本では毎日新聞記者、アフリカでは難民キャンプの工場長、アゼルバイジャンで主夫、ジュネーブで国連職員などを歴任。現在は中東ヨルダンで妊娠した妻に寄り添う専業主夫。
 著書に「僕は七輪でみんなをハッピーにしたい」(ユーキャン)「国境に宿る魂」(世織書房)。
メール連絡先 yokuroi×hotmail.com (「×」を「@」にしてください) ツイッター:@YokoKuroiwa

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