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親子水入らず生活幕開け

カンボジアへ旅発つため、7月7日夜、アゼルバイジャンのバクー国際空港に着くと、出発カウンターに10人ほどで固まる女性旅行者たちが視界に入った。

身長150センチくらい。
麦わら帽子。
小さいリュックサック。
大きなスーツケース。
麦わら帽子に付いている同じ柄のバッジ(旅行会社の)。

50メートルくらい離れていたが、日本人のツアー客だとすぐわかった。日本のツアー旅行は世界をまたぐとは聞いていたが、まさか、こんな辺境地にまで足を伸ばすとは思わなかった。

「ご旅行ですか?」と背後から尋ねると、向こうも「あら!」と驚いた様子。「一人で旅されているの?」と聞かれ、「いえ、ここに住んでいるのです」と言うと「ええ!」と再度、驚かれる。さらに、私が妻に寄り添う「専業主夫」で仕事がなく、妻の両親が住むカンボジアへ向かっていると言うと、「主夫で、アゼルバイジャン在住で、今はカンボジアへ妻の家族に会いに行っている、、、。なんだか、ややこしいのね」と言われ、「はい、ややこしいんです」と苦笑い。

皆、50—70代くらいで、なんと、中には90歳の方までいた!私の予想通り、「もう、世界のあらゆる所に行ったから、コーカサス(アゼルバイジャンがある地方の名前)しか残っていなかった」と言う。ある方は世界地図に行った事がある国を塗りつぶしており、その数、なんと90近く。今回はアゼルバイジャン、アルメニア、グルジアの三か国を1週間で回るという行程。「これで三つ、国が増えた」と嬉しそう。まるで「行ったことがある」という自慢をするための旅行みたいで、少し白け感は否めないが、その行動力と好奇心(と財力)には頭が下がる。ちなみに、気になるツアー料金は40—50万!!!

カタールのドーハまで2時間半。ドーハからバンコクまで7時間。この飛行機が少し遅れ、バンコクからは別の航空会社だったため、荷物を取り出して、一度出国し、再度チェックインをしようとすると、すでに「チェックイン時間を過ぎております」と門前払いされそうになった。私は「まだ、出発時間まで40分もあるじゃないですか?兄の結婚式なんです。どうかお願いします!」と頭を下げ、何とか通過。

カンボジアの首都、プノンペンには8日午後3時半に着いた。空港を出ると、義母が「パンパンパン」と拍手をして出迎えてくれた。「思ったより早く到着したのね?」と笑顔で手を差し伸べた。義母の隣には義妹のヘジン(25歳)がいつもの様に寄り添っている。体格は義母の2倍くらい。私が「元気だった?」と尋ねると「うん」と微笑みながら、いつもの様に私とは目を合わせようとせず、答えた。

車の中では早速、ハングル会話レッスンが始まった。義母はとにかく一方的に話すタイプで、ほとんど質問はしない。とにかく、話す。こちらから話しかけない限り、ずっと一人で話すことができる人間だ。車中でも、家族の近況や、カンボジアで携帯電話をなくした話を延々とし、私のアゼルバイジャンでの生活や日本にいる家族については全く尋ねようとはしない。

空港から15分ほどで家に着いた。食卓にはカニ味噌チゲ、サンギョプサル(豚の三枚肉)、エビ天ぷら、キムチなどの野菜がずらっと並んだ。どれも美味しく食べていると、義父がカンボジア語レッスンから帰ってきた。

義父はほぼ毎日、カンボジア語学校に通い、2年間で言語を習得し、その後、宣教活動をする予定だ。義母とヘジンは毎日朝1時間だけ通っている。生活費は韓国で所属する教会からの支援などで成り立っている。

義父は、口数は義母ほど多くないが、義母と違って「アゼルバイジャンは暑いのか?」などと色々尋ねくる。ものすごーい世話好きで、私の韓国語学校を探し、先生を手配し、学校を下見し、通学するために英語ができるタクシー運転手を探しておいてくれた。とにかく、隣人のためにできることは何でも喜んでする。

その「世話好き」も時としてうっとおしくなることもある。頼んでもいないのに、私のために、カンボジアの名所への一人旅行計画を立て、「ここなら3泊4日は必要だ。ここを午後1時に出ればいい」などと詳細なプランがメールで送られてきた。もっと厄介なのは「自分がこう決めたらこう!」というタイプ。

私が「色々やっていただきありがとうございました。旅行計画は自分が決めるので、お父さんは心配しないでください」と返事をしても「それなら2泊3日か?いつ行くのだ?」などと聞いてきた。

家が市内から約20分と遠く、毎日、トゥクトゥクと呼ばれるタクシーで通学すると、お金がかかる上、不便だから、「スクーターをレンタルしたい」と言うと「それは危険だ」と言う。

さらに、私が空港に着いた4時間後に、韓国語の能力診断テストが用意されているという。私が「長いフライトで、まだ頭がフラフラです。テストを受けられる状態じゃないので、明日お願いします」と言うと、表情が一変し「でももう先生にお願いしちゃったよ。先生は準備しているんだ」と言う。義母が「ヨウコウが疲れたって言っているんだから明日にしたら」と言い、やっと納得してくれた様子。

食後、私が寝室で就寝していると、突然ドアが開き「ヨーコー?」と義父が入ってきた。「ああ、寝ているのか?」と私を見ると、ドアを閉め、去って行った。世話をしてくれるのは大変ありがたいのだが、せめて、ノックくらいはしてほしかったな、、、。

とにかく話し続ける義母。世話好きで頑固な義父。ヘジン。そして私。誰一人として定職に就いていない4人の家族生活は、今後、どうなっていくのやら。




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プロフィール

seventh star 7

Author:seventh star 7
黒岩揺光  
1981年、新潟生まれ。7人兄弟の末っ子。15歳で米国留学して以来、住んだ国は計8カ国に。海外生活計17年。日本では毎日新聞記者、アフリカでは難民キャンプの工場長、アゼルバイジャンで主夫、ジュネーブで国連職員などを歴任。現在は中東ヨルダンで妊娠した妻に寄り添う専業主夫。
 著書に「僕は七輪でみんなをハッピーにしたい」(ユーキャン)「国境に宿る魂」(世織書房)。
メール連絡先 yokuroi×hotmail.com (「×」を「@」にしてください) ツイッター:@YokoKuroiwa

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