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「思いやり」と「煩わしさ」は紙一重

妻家族は本当に思いやりに溢れた方たちだ。

私が家で着る半ズボンや外で着るポロシャツなどの夏服を買おうと思っていたら、義母が「これ、お父さんにはサイズが小さすぎるから、ヨウコウどう?」と私が買おうと思っていた物を何着か持ってきてくれた。

お父さんは私に携帯電話、家族全員の電話番号が書かれた紙、韓国語先生の名刺など一式を用意しておいてくれた。

私が一人で出かける際は、毎時間の様に電話がかかってきて「どこにいる?」「大丈夫か?」などと気にかけてくれる。

私も、しっかり「親孝行息子」を演じるため、7月10日夜、自分で買い物した材料でカレーを作った。11日は両親が他の宣教師と一日会合で出かけたため、昼は妹ヘジンを連れ出して日本食レストランで御馳走し、午後は一緒に喫茶店で時間を過ごした。帰りに鶏肉を買って、夜ご飯はヘジンに親子丼を作った。

そしたら、「お義兄さん、昼食べたものに似ているけど?」と言われ、「あ!しまった!私は味噌ラーメンだったけど、ヘジンが昼ご飯カツ丼を食べたことを忘れていた」と心の中でつぶやき、表向きは「豚肉と鶏肉で全然違うだろ!」と押し通した。

朝ご飯もできるだけ負担にならないよう、自分が作った残り物や、日本食材店で買ってきた納豆などを自分で用意して食べた。妻家族は毎朝ハンバーガーを食べる習慣らしく、義母が「ヨウコウはご飯派だからどうしようかしら?」と心配していたからだ。

義母は元高校教師。結婚して主婦になったが、自分のことを「主夫」と言うのが恥ずかしいほど、義母は素晴らしい主婦だ。料理が美味い。気が利く。料理、掃除、洗濯など、ずっと何かしら仕事している。さらに、自閉症のヘジンのお世話をしてきたのだから、本当に頭が下がる。

義父は、とにかく、何でも私と一緒にやりたがる。朝6時は散歩。午後9時は神へのお祈り。食後のサウナなどにも誘われるが、さすがに全部は付き合いきれない。

一番深刻なのが針灸師だ。妻家族は、なんと毎日、韓国人の針灸医院に通っている。3人とも、それぞれ体に針を打ち、お灸をしてもらっている。別にそれはそれでいい。問題は、それに私まで付き合わせようとするのだ。記者時代から鍼灸の経験がある私は、「まあ、一度くらいは」と10日午後に付き合った。

針灸師の医院は、家から車で30分かかるため、全員の治療時間を合わせれば、2—3時間はかかる。

毎朝3時間、ハングルレッスンがある私は、さすがに毎日2—3時間、鍼灸に付き合うことをためらった。

日本よりも東洋医学が盛んな韓国。これまでも私が韓国の実家へ遊びに行く度、針灸師に連れて行かれた。5センチほど長い針を刺されて発熱した経験もあれば、「ヨーコー特性漢方」という深緑色の液体の袋60個を3万円で買わされたこともあった。

12日朝、朝ご飯を食べながら、私は「今日は針灸師に行きたくありません」と両親に伝えた。そしたら、予想以上に2人は驚いた。

義母:なんで?

私:毎日2時間、鍼灸に時間を費やすのはきついです。色々やることがあるので。

義母:でも、これはあなたの健康のためよ。健康より大事なことなんてないのだから。

義父:そうだよ。体が動かなくなったら、何もできなくなる。

私:しかし、ハングル教室に3時間。さらに鍼灸に2時間費やしたら、一日が終わってしまいます。

義母:鍼灸の先生はあなたの体を見て、「あまりよくない」とおっしゃっていたわ。アゼルバイジャンでは鍼灸はできないのだから、今しかないわよ。

義父:そうだよ。せっかく無料でやってくれるのだから、一緒に行こう。

私:こんなに時間のかかるイベントがあるということを、なぜ、私が来る前に話してくれなかったのですか?

義父:、、、。

義母:ようこうの体の状態がわからなかったからよ。二日前に行ったら、先生が良くないというから、それなら毎日行って治さないといけないと思うの。

私:私は8年くらいまえから色々な鍼灸師に治療してもらっていますが、背中や首のこりが完全に治ることはありませんでした。今回だって、この先生が完全に治してくれるという保証はありませんし、そこまで体は悪くありません。

義母:でも、先生はヨウコウに特別にやってくれているのよ。何の見返りもなしによ。私たちはヨウコウの健康を思って言っているの。

ここで私の迎えのタクシーが家に到着し、話し合いは中断。

私は部屋に行き、歯磨きをし、荷物をまとめ、玄関から出ようとした。そしたら義父が「今日、針灸医院には何時に行く?」と尋ねてきた。まるで、それまでの会話を聞いていなかったかのような義父の態度に驚き、私は「行きません」と言った。義父が「なんで?」と尋ねてきたため「行きたくないからです」と答え、家を去った。

ハングルレッスンを終え、12時半に恐る恐る家に戻ったら、さすがに両親はあきらめたらしく、普通に和気あいあいと昼ご飯を食べた。午後、3人で針灸医院へ出かけて行った。

そしたら夜、寝る前、義母は私に言った。

「針灸師、ヨーコーが忙しいなら仕方ないけど、せめて週に3回は行きましょうね」

あーあ。親から「あれやれ」「これやれ」言われた経験がない私は、ストレスで肩と首がこりそうだった。このままだと、本当に鍼灸医院に行かなくてはならなくなるかもしれない。
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プロフィール

seventh star 7

Author:seventh star 7
黒岩揺光  
1981年、新潟生まれ。7人兄弟の末っ子。15歳で米国留学して以来、住んだ国は計8カ国に。海外生活計17年。日本では毎日新聞記者、アフリカでは難民キャンプの工場長、アゼルバイジャンで主夫、ジュネーブで国連職員などを歴任。現在は中東ヨルダンで妊娠した妻に寄り添う専業主夫。
 著書に「僕は七輪でみんなをハッピーにしたい」(ユーキャン)「国境に宿る魂」(世織書房)。
メール連絡先 yokuroi×hotmail.com (「×」を「@」にしてください) ツイッター:@YokoKuroiwa

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