お金を稼いでなければ「暇」なのか?

2週間前に二姉からスージン宛にメールがあった。

「英語のビデオメッセージを日本語に訳してほしい」

私は「あれ?」と少し不自然に感じた。家族内に英語ができるのは、私の他にも長姉がいる。直接の血縁がある私や長姉ではなく、義妹のスージンにいきなり頼むのはなぜなのか。

3日後、再び催促のメールが。

「スージン、または揺光に頼めないかな?」

ここで、ようやく私の名前が上がった。すかさず、スージンが「返事が遅れてすいません。すぐやります」と返事をした。

1週間後、今度は母がスージン宛にメールを書いた。

「揺光が書いた英語の原稿、わからない単語がいくつか出てくるから、訳してくれない?」

私は、明らかな「誤解」があると判断し、介入した。

「お母さん。スージンは今、スペイン語の試験勉強で忙しいから、わからない単語は辞書で調べて、それでもわからない文章があったら、その部分のみ送ってくれたら、こちらで説明するよ」

母は「頑張ってみる」と答えた。(母は簡単な英文なら辞書なしで読めるくらいの英語力はある)
母と二姉が、直接の血縁関係がある私ではなく、スージンに翻訳をお願いする理由は何なのか?考えられる理由はただ一つ。私がお金を稼いでいるのに対し、スージンはお金を稼いでいない。定職がない。よって、「揺光より時間があるだろう」と判断したのではないか。

私がアゼルバイジャンで主夫をやっている時、周りから「暇人」扱いされて気分を何度も害した。広島カープが初めてプレーオフ出場し、それを観戦するために日本に帰った際、母から「市議会選挙の打ち上げに行かないか」と誘われた。「そんなの行くわけないよねー」と義兄に話したら「暇だと思われているだけだよ」と言われた。おそらく、「カープの試合観るために、わざわざアゼルバイジャンから戻ってくるなんて、暇だねー」と思っていたのではないか。

自分のキャリアを一時中断し、外国で「主夫/主婦」になるというのは、それだけで大きな精神的ストレスになりうる。スージンのように「国連職員」というそれなりの社会的地位を築いた人ならなおさらのことだ。

その上、周りから「暇人」扱いされたら、そのストレスは余計倍増しかねない。大事なのは、周りが主夫/主婦に、「これはあなたの人生の中で、最も貴重な時間なのだから、大切に使ってね。『仕事しなくてもいい』という選択ができる人はあまりいないのだから」というメッセージを送ること。休んでもいい、読書をしてもいい、語学勉強してもいい、スポーツ観戦してもいい、あなたの好きなようにしたらいい、と。

スージンはこの一ヶ月半で、旧友に会うため、イギリス、スペイン、イタリアを1人で旅行し、私とは2回、スイス国内旅行をした。スペイン語の勉強をしたり、ブログを始めたりと、彼女なりに生活リズムを作ろうと努力している。

時間に制約がないからこと、「やりたいこと」リストを作り、優先順位の高いものを選んでいくのだ。おそらく、スージンのリストに、「英文を日本語に訳す」は入っていないだろう。

そもそも「暇」という概念はあくまで主観的なものであって、人から「あなた暇でしょ」と言われて、いい気分になる人はあまりいない。

 そして、少し飛躍してしまうが、私たちに日々感動や笑いを提供してくれる、歌手、画家、作家、スポーツ選手、芸人、俳優の人たちの大部分は、最初からその道でお金を稼げていたわけではないと思う。「お金を稼いでいない」、いわば社会的に「暇」と認知される時間に、ものすごい努力をして、その地位を築いているのではないか?

私は1年2ヶ月の主夫生活で、「人志松本のすべらない話」というお笑い番組に釘付けになり、笑いのツボが増え、広島カープの試合をより熱狂的に追うようになり、妻と話す時間が数倍増えた。そして、日本にも3回帰り、両親とも話す時間が増えた。些細なことだけど、こういうことこそ、長い目でみたら、自分の人生を潤してくれる様な気がする。

ジュネーブに来てからは、ブログ執筆も韓国語の勉強も、頻度がめっきり減ってしまった。午後6時に帰宅、ジョギング、飯、風呂、ソファーで少しぐったりしながら仕事のことを考えたり、妻と話したり、YouTubeを見たら、就寝時間があっという間にやってくる。

お金を稼いでいるか、稼いでないかで、その人の「暇度」を判断するのは間違っている。それこそ、社会に閉塞感を与え、人々の「個性」の発展を阻害しているのではないか。

って、お母さん、お姉ちゃんに対して言っているのではないよ。怒らないでね。あくまで一般論(笑)。
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プロフィール

seventh star 7

Author:seventh star 7
黒岩揺光  
1981年、新潟生まれ。7人兄弟の末っ子。15歳で米国留学して以来、住んだ国は計8カ国に。海外生活計17年。日本では毎日新聞記者、アフリカでは難民キャンプの工場長、アゼルバイジャンで主夫、ジュネーブで国連職員などを歴任。現在は中東ヨルダンで妊娠した妻に寄り添う専業主夫。
 著書に「僕は七輪でみんなをハッピーにしたい」(ユーキャン)「国境に宿る魂」(世織書房)。
メール連絡先 yokuroi×hotmail.com (「×」を「@」にしてください) ツイッター:@YokoKuroiwa

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