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主婦/主夫はかっこいい

7月25日から8月3日までアイスランドを旅した。アイスランドは北海道と四国を合わせた広さの島国で、人口はたったの30万人。そこに、毎年80万人の観光客が訪れる。寒いし遠いのに、これだけの人が訪れるのは、ズバリ「景色」。 そこら中に火山や滝、温泉があって、月の表面の様な景色があったかと思えば、天空の城ラピュタの様な景色が出てきたりと、外を眺めることにこれほど飽きないのは初めてだ。

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妻がフェースブックでアイスランド行きを告知すると、「私たちもアイスランドに行く予定だよ」という書き込みが。

誰かと思ったら、アゼルバイジャンで主夫仲間だったオランダ人のハンズだ!ハンズは、昨年夏にアゼルバイジャンを去り、妻のデボラが勤務する石油会社の本部があるスコットランドで暮らしていた。ハンズの詳細についてはここをクリック。

私たちは早速連絡を取り合った。あいにく、ハンズは私たちとは逆方向に向かう予定だったが、私たちがアイスランドを出発する前日に、近場で落ち合えるよう、行程を変更してくれた。一晩、同じキャンプ場で泊まることに。

約一年振りの再会。ハンズは妻のデボラ、長女のレベッカ(16歳)と長男のベンジャミン(15歳)、そして姪のサラ(15歳)と一緒だった。

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ハンズはアゼルで主夫を2年やった。スコットランドに戻ってからも、二人の子どもたちを、地元の学校ではなく、車で45分離れたインターナショナルスクールに通わせるため、毎日、子どもの送迎に3時間を費やさなくてはならず、就職活動どころなかった。

送迎生活をして3ヶ月がたったころ、「せっかく3時間も運転するのだから、送迎だけでなく、お金も稼ぐか」と思い、学校周辺にある会社に片っ端から履歴書を送った。

そして、12月に地質研究センターからビジネスコンサルタントとして雇ってもらえることになった。職場は学校から500メートル。二人を学校でおろし、出勤し、夕方に退社してから、子どもたちを迎えに行く。「おかげで、家に着くのは6時半くらいになるから、デボラが先に帰って料理してもらっているよ」とハンズ。給料はデボラの半分以下。それでも、「やっぱり、何か生活にリズムがあるのっていいよな」と言う。

私が「アゼルと今の暮らしを比べて、どちらが合っている?」と尋ねると、「丁度、二つの間くらいがいいかな」と言う。「アゼルでは、あまりにも生活にリズムがなかった。逆に今は、ちょっと忙しすぎる。子どもの送迎と仕事で日々追われる感じ」と言う。「週に3日くらいのパートタイムが丁度いいかな」とハンズ。

「パートタイムにして、できた時間で何がしたいの?」と聞くと、「色々な所を旅してきたから、旅行記でも書いてみたい。ブログでもいいし」と言う。

アゼルにいる時と変わらず、家族第一主義を貫くハンズ。相変わらず、子どもたちと仲が良い!ボードゲームをすれば、レベッカから「パパ!ちょっと負けそうだから手伝って!」と請願され、ベンジャミンが、新しいゲームを従兄弟とやろうとしたら、「おい、ちょっと俺も入るから、待ってくれ」と入り込んでいったり。

5年後、10年後の話になると、「とりあえず、子どもたちが自立したら、デボラとまた二人でどこか海外で住んでみたいな」と言う。デボラの会社が最近、韓国の会社に買収されたため、「韓国駐在もありえる。ソウルはどんな感じ?」と一生懸命、スージンに聞いてみた。

49—51歳という微妙な時期の2年のブランクを経て、しっかり仕事を見つけ、家族と幸せそうにしているハンズはとてもかっこいい。なんで、そんなにかっこよく映るのだろう。それはハンズが「男」で、本来「女」がすべきことをしているから?いや、そうあるべきではない。性別に関係なく、家族の幸せのために尽くしている人は、すべてかっこよく映るべきだ。

夫の転勤や出産を機に仕事を辞める女性もかっこいい。昨年、東京で友人何人かと飲んだ時、独身の女友達(30代後半)が「もし結婚相手が見つかるなら、仕事を辞めてもいい」と言い、隣にいた女友達(同じく独身)が「ええ!なんで!」と否定的見解を示した。私のブログを読んだある女性知人が「私も主婦になってみたくなった」と発言したら、他の女性たち(キャリアバリバリ)から「あなた何言っているの?あなたには無理よ」とお叱りを受けた。まるで、「これまで女性たちが頑張って築いてきた男女平等の潮流に逆行するのか?」と言わんばかりに。

「主婦/主夫」はかっこいい。そういうメッセージを放たなければ、男性も女性も主婦/主夫という道を選ぶ選択が与えられなくなる。よって、家族と過ごす自由も奪われる。家族を大切にする社会を築けなくなる。

ハンズと再会して、私はブログのタイトルを「国連職員×2」から「元ヒモのプライド」に変えることにした。
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プロフィール

seventh star 7

Author:seventh star 7
黒岩揺光  
1981年、新潟生まれ。7人兄弟の末っ子。15歳で米国留学して以来、住んだ国は計8カ国に。海外生活計17年。日本では毎日新聞記者、アフリカでは難民キャンプの工場長、アゼルバイジャンで主夫、ジュネーブで国連職員などを歴任。現在は中東ヨルダンで妊娠した妻に寄り添う専業主夫。
 著書に「僕は七輪でみんなをハッピーにしたい」(ユーキャン)「国境に宿る魂」(世織書房)。
メール連絡先 yokuroi×hotmail.com (「×」を「@」にしてください) ツイッター:@YokoKuroiwa

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