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女がやれば当たり前。男がやれば「かっこいい」

先日、ジュネーブで日本人30人ほどが集まる夕食会があった。

そこで、参加者一人一人が自己紹介。ある40代女性は、10歳くらいの長女を連れて参加し、最近、ご自身の仕事の関係で日本から2人で引っ越してきたと話した。

そして数人後、40代男性が立ち上がり、名前と職場を告げた後、「私には長男がいるのですが、私がスイスに駐在になるということで、息子が日本で家内と残るか、私と一緒にスイスに来るか話し合い、私と一緒に連れてくることに決め、今、2人で暮らしています!」と言った瞬間、「おーーー!」という歓声が参加者から上がった。「それで、良い家政婦さんを探しておりますので、何か情報がありましたら共有ください」と付け加えた。

女性も男性も、全く同じことを言っているのに、ここまで反応が違うことに驚いた。

確かに、男性が単身赴任する場合、子どもは女性側につくケースが多いから、珍しいという意味での歓声だったのだろうが、私が違和感を抱いたのは、歓声よりも、その男性が明らかに歓声を誘うように話していたことだ。まるで、「俺ってすごいぜ!」的な感じで。

まず、この男性がしていることはそこまで凄くない。本当に家族のことを考えるなら、私や他の多くの女性のように仕事を辞め、日本で家族3人一緒にいればよかった。

次に、男性の「俺ってすごいぜ」的な話しぶりが、3年前、アゼルバイジャンで主夫をやりながら、日本各地で「専業主夫は世界を救う」と題して講演していた自分の姿に重なり、顔が赤くなった。多くの女性が普通にやっていることをやっただけなのに、なぜ、自分はそこまで自分のことを凄いと勘違いしていたのだろう。

「イクメン」という単語を私が一度も使わないのも、おそらく同じ違和感からだと思う。

私たち男性が、当たり前のことをしているのに「すごい」と勘違いしていることは、「専業主婦」が凄くないと勘違いしている裏返しでもある。

それは、キャリアバリバリの女性たちが「専業主婦」になることをためらわせるという、悪循環を招きうる。

援助業界は、それこそキャリアバリバリの女性で溢れている。海外の大学院を出て、英語は当たり前。多くは第二外国語までこなす。多くが独身で、その大部分が「結婚したい。家庭もちたい。子どもがほしい」と言いつつ、「じゃあ、専業主婦になりたい?」と聞くと、「いや、それは、、、仕事したいし、、」となる。いやいや、「家事育児」は仕事じゃないのか?矛盾ともとれる論理には、「ここまで高い能力があるのに、普通の女になりさがりたくない」という「勘違い」が見え隠れする。

「子どもがほしい」「結婚したい」なら、男性も女性も、せめて1年くらいは、家事・育児に専念する時間があっていいと思う。性別の差で「凄い」「凄くない」の議論に終始すると、問題の本質からずれてしまうのだ。

それこそ、男女交代で1年ずつ、育児休暇が取れるような社会システムになれば、少なくとも2年間は保育園が不要となり、待機児童問題も少しは緩和するかも。

だから、これからは自分のことは「主夫」と紹介しつつも、(他に適当な肩書きが見つからないから)あまり偉そうにはしないことにしよう。勝ち誇った表情ではなく、軽くスマイルしながら「だって、妻の方が優秀で稼いでいるのだから当たり前でしょ?」と言うことにしよう。

ちなみに、その夕食会で、私はしっかり「国連での仕事を辞めました。ヨルダンに赴任し、9月に出産予定の妻に付いていくためです」と紹介したら、なぜか「おおお」の歓声は起きなかった汗。あまりにも想定外だったのか、私があまりにも偉そうに話していたからなのか、それとも、、笑。

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プロフィール

seventh star 7

Author:seventh star 7
黒岩揺光  
1981年、新潟生まれ。7人兄弟の末っ子。15歳で米国留学して以来、住んだ国は計8カ国に。海外生活計17年。日本では毎日新聞記者、アフリカでは難民キャンプの工場長、アゼルバイジャンで主夫、ジュネーブで国連職員などを歴任。現在は中東ヨルダンで妊娠した妻に寄り添う専業主夫。
 著書に「僕は七輪でみんなをハッピーにしたい」(ユーキャン)「国境に宿る魂」(世織書房)。
メール連絡先 yokuroi×hotmail.com (「×」を「@」にしてください) ツイッター:@YokoKuroiwa

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