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妊娠したことをいつ公開しますか?

先日、とある食事会で知り合ったヨルダン在住の日本人女性に「妻が妊娠しているのです」と言うと、その女性は妻を見ながら「え??お腹全然出てないじゃないですか!」と驚いた。

私は、「いや、妊婦のお腹が出てくるのは20週目以降ですよ」と言いかけたが、すでに2児の母というその女性にそんなこと言う必要はないはずだ。

あ!そうか。日本と欧米では、妊娠報告の適当とみなされる時期が少し異なる。

日本では妊娠16-20週以降。つまり、知らない人に報告する大半のケースで、妊婦のお腹はすでに大きくなっているのだ。それに対し、欧米では10-12週である。

スイスの産婦人科でも、12週目で大丈夫といわれたので、お腹が全く出てないときからすでに完全公開していた。

この文化というか考え方の違いはとても興味深い。

英語のサイトでは「妊娠報告は安定期まで待つ必要はない!詳しくはここをクリック」というブログが人気を集めているのに対し、日本のは安定期まで待つべきというのが主流である。

日本側の意見は、「流産した場合、それを知らずに『おめでとう!』と言ってくる友人にいらぬ心配をかけ、さらに自分も傷つけることになる」というもの。中には、「周りには結婚できない人、不妊治療中の人もいるから報告する際は気をつけましょう」「ソーシャルメディアでの報告は『自慢』とも受け取れられかねないので注意しましょう」というのもあった。だから、流産の可能性がほとんどなくなる12週目ではなく、「完全に」なくなる16ー20週目以降が主流となる。

で、欧米側の意見は、「妊娠初期は、周りからのサポートが一番必要な時期で、自分の友人に妊婦がいたら、知りたいし、助けてあげたい」「自分にとって一番幸せなことを、大好きな人たちとシェアしたい」「流産した場合、友だちのサポートが欲しいし、友人が流産したら、一人で抱え込ませたくない」というもの。

うーーん。何度読み返しても、自分は欧米系だな。

周りに迷惑をかけたくない。妬まれたくない、という考え方は、どうもしっくりこない。正直、私はとても嫉妬深い人間だ。野球部時代、同じチームのライバルが失策したら心の中で喜んでいたし、記者時代、同期が特ダネ書いたら、「おめでとう」と言えないくらい小さい人間である。でも、少なくとも、私はその過去を後悔している。自分ができないことを友人ができたら「おめでとう」と言える人間を目指しているし、自分の友人もそういう人であってほしいと思う。

実際、ソーシャルメディアでも妊娠報告させてもらったけど、それを「自慢しやがって」と思う人と友だちにはなりたくない。私たちだって2年以上子どもに恵まれなかったから、子どもを授かりたいけど授かれない人の気持ちは少しくらいはわかる。

あと、日本側の意見で、完全に抜け落ちていると思えるのが「胎児の視点」。自分が胎児だったら、妊娠初期が生死をさまよう一番危険な時期で、母親の喜怒哀楽がそのまま生死に関わるわけだから、周りの人にタバコを吸って欲しくないし、母親にお酒を勧めて欲しくないし、大量な仕事を与えて欲しくないし、怒鳴りつけて欲しくない。流産後、つまり自分が死んだ後に、母親が周りからどう思われるかなんて二の次だ。生き延びることが先決である。

そう考えたとき、母親が妊婦だと周りが知っていたほうが、生存率が上がるような気がしてならない。実際、妊娠初期と引越しの時期が重なった私たちは、思い通りに家の整理ができず、大家さんは苛立っていた。「運動着でも買って、丸一日掃除してくれ!」というメールが送られてきたりした。そしたら、その直後、「すまん。スージンが妊娠しているということを今聞いたよ。大変な時期だね。ゆっくりしてください」と態度が一変した。

ただ、日本側の意見もわからなくもない。流産の可能性がある時期に報告し、逆に「流産したらどうしよう」という余計な重圧を自分にかけ、それがストレスになり、流産の可能性が増幅することもなくはなさそう。

幸い、スージンはあっけらかんと、親や近い友人には9週目くらいで伝えていたから、その辺の問題はなさそう。

とにかく、いくら妬まれてもいいし、迷惑だと思われてもいいから、この子が無事に生まれてくることを願うばかりだ。
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プロフィール

seventh star 7

Author:seventh star 7
黒岩揺光  
1981年、新潟生まれ。7人兄弟の末っ子。15歳で米国留学して以来、住んだ国は計8カ国に。海外生活計17年。日本では毎日新聞記者、アフリカでは難民キャンプの工場長、アゼルバイジャンで主夫、ジュネーブで国連職員などを歴任。現在は中東ヨルダンで妊娠した妻に寄り添う専業主夫。
 著書に「僕は七輪でみんなをハッピーにしたい」(ユーキャン)「国境に宿る魂」(世織書房)。
メール連絡先 yokuroi×hotmail.com (「×」を「@」にしてください) ツイッター:@YokoKuroiwa

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