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なぜ、1人の妻にこだわるのか?

女性従業員は全部で10人。敬虔なイスラム教徒で皆ヒジャブという布で頭を覆っている。難民キャンプで働くまでは、そういったイスラム教徒の女性は無口でおとなしいイメージがあったが、どうしてどうして。男性従業員よりも、よく話す!女性だけで集まって、何やら、甲高い声でべちゃべちゃ話している。買い物途中のお母さんたちが道端で話し合っているのと同じイメージ。

 たまに、私から話しかけると、とても興味深そうに色々聞いてくる。「日本」という国については、名前は聞いたことがあるくらいで、何のイメージもないという。「日本の首都はどこか?」と尋ねたら、無口になり、「パリ?」とぼそっと呟いた女性がいたほどだ。

 ある日、私が、4人の女性従業員が楽しそうに話しながら、コンロ作りに励んでいるときに、彼女たちの輪に入りこんでみた。

 そしたら、ハナム(仮名、30歳)が、「白髪が何本かあるけど、もう子供はいるの?」と尋ねてきた。ダダーブに来てから、一段と白髪が増えていたのは気づいていたが、痛いところを突いてくる。「いや、まだいないよ」と伝えると、「それはダメよ!子供作らなきゃ」という。

 「じゃあ、君は何人いるの?」と聞き返すと、

「7人」

 と誇らしげに即答してきた。周りの女性たちにも尋ねると、「6人」「7人」「10人」と、やたらと多い。私自身、7人兄弟の一番下だから大学族なのだが、ここでは、それは全く珍しいことではない。しかし、同じ年ですでに7人も産んでいるとは、、。

 「日本では、1人か2人が普通だよ」と教えると、「なんで、たくさん産まないのか?」と聞いてくる。

 私が、「私の場合は、今、妻と離れているしね。まだ、難しいな」と言うと、さらに、驚き発言が。

 「じゃあ、ここで、もう1人と結婚したらいいじゃない?なんで、1人の妻にこだわるの?」と真顔で聞いてきた。

 質問してきたファトゥマ(30代、仮名)の夫は、3人妻がいるという。3人の妻が別々の家に住み、夫は3日間間隔で各妻の家を訪れるという。

 「他の妻に嫉妬とかないの?」と私が聞くと、「そんなの全然ない」ときっぱり。「女性は、複数の男性と結婚できるの?」と聞くと、首を振る。「男性はできて、女性はできないなんて、不公平じゃない?」と言うと、「いいえ。これはイスラムの教えですから」と言う。
 
 そうか。宗教の前では、私の男女平等の法則なんて、通用しないのだ。

 「君たちの子供が、日本人と結婚したら、嫌?」と聞いてみると、「イスラム教徒なら、明日にでも、贈呈するわ」と、いつもの甲高い声で答えてきた。

 宗教なんて、これまで本気で考えてこなかった自分が、宗教に人生のすべてをかけている人たちと一緒に働くなんて、不思議なものだ。ちなみに、イスラムの一夫多妻制は、戦争が繰り返されるなかで、未亡人救済を目的として始まったとされる。イスラムに限らず、ケニアにもその伝統は根強く、公用語のスワヒリ語には妻の複数形はあっても、夫の複数形はない。

 ハナムに私が「じゃあ、来年にでも5人子供作る!」と冗談を言ったら、「私は、一日も早く10人目を産むつもりよ」と、笑いながら返してきた。こりゃ、勝ち目ないな、、。しかし、今日の会話、私の妻が聞いたら、どう何て言うだろう、、。


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プロフィール

seventh star 7

Author:seventh star 7
黒岩揺光  
1981年、新潟生まれ。7人兄弟の末っ子。15歳で米国留学して以来、住んだ国は計8カ国に。海外生活計17年。日本では毎日新聞記者、アフリカでは難民キャンプの工場長、アゼルバイジャンで主夫、ジュネーブで国連職員などを歴任。現在は中東ヨルダンで妊娠した妻に寄り添う専業主夫。
 著書に「僕は七輪でみんなをハッピーにしたい」(ユーキャン)「国境に宿る魂」(世織書房)。
メール連絡先 yokuroi×hotmail.com (「×」を「@」にしてください) ツイッター:@YokoKuroiwa

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