キャンプの保険制度

キャンプには保険会社も銀行もない。万が一、病気などで大金が必要な時や、お金を盗まれた時などの「保険制度」はどうなっているのか。

1月31日、月末の給料日に、いつものように、1人1人の従業員に給料を手渡すと、皆、特定の従業員に、給料の1割にあたる500シリング(約500円)を差し上げる。毎月、順番で、決められた従業員がもらう仕組みで、「これがソマリア人の貯金制度です」とモウリドは説明する。

「でも、別に利子があるわけでもないのだから、結局、1人がもらう金額は変わらないのに、なぜこんなことをするの?」と尋ねると、「もし、あなたのお母さんが病気になって、薬代が必要なのに、手持ち合わせがない時、順番を早めて、この人にお金を渡すことで、一種の保険になっているのです」と説明を受け、納得がいった。

キャンプの食料配給は、トウモロコシ粉、小麦粉、油や塩などが毎月2回配られるが、一人当たり10日ほどしかもたないといわれる。しかも、野菜や肉は配られない。つまり、何かしらの現金収入がなければ生きていけない仕組みになっている。しかし、キャンプ内には仕事がない人はたくさんいるのに、飢えで人がバタバタ死んでいくことはない。それは、おそらく、この従業員同士がやっている保険制度のように、ソマリア人の相互扶助の精神が、底辺で人々の命の支えになっている。

日本には1万人の路上生活者がいることを伝えると「あんなお金持ちの国なのに、なぜ、誰も彼らを家に招いてあげようとしないのか?」と彼らは首をひねる。

従業員との全体ミーティング後、特定の従業員と個別ミーティングをする時があるが、それが30分や1時間かかろうが、他の従業員たちは、それが終わるのを待つ。自分は中学校時代、よく先生に怒られ、放課後残されていたが、自分のことを待ってくれる友人なんていただろうか?そんなことを考えながら、従業員たちに少し嫉妬してしまう。
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工場長、こんにちわ。

今大変ですね・・・・・・・

っこの保険制度や、ソマリの考えは、イスラームを少しお勉強すれば、納得できると思います。
もし、よかったら、次回本をお貸ししますから、、(イスラームの文化、商人的考えを)読んでみてください。
面白い、と思います。

私も、この緊急の時に使う、お金の貯め方のシステムを、何かの本で学びました・・・・・・


お疲れ様です。

工場長、こんにちわ。

今大変ですね・・・・・・・

っこの保険制度や、ソマリの考えは、イスラームを少しお勉強すれば、納得できると思います。
もし、よかったら、次回本をお貸ししますから、、(イスラームの文化、商人的考えを)読んでみてください。
面白い、と思います。

私も、この緊急の時に使う、お金の貯め方のシステムを、何かの本で学びました・・・・・・


プロフィール

seventh star 7

Author:seventh star 7
黒岩揺光  
1981年、新潟生まれ。7人兄弟の末っ子。15歳で米国留学して以来、住んだ国は計8カ国に。海外生活計17年。日本では毎日新聞記者、アフリカでは難民キャンプの工場長、アゼルバイジャンで主夫、ジュネーブで国連職員などを歴任。現在は中東ヨルダンで妊娠した妻に寄り添う専業主夫。
 著書に「僕は七輪でみんなをハッピーにしたい」(ユーキャン)「国境に宿る魂」(世織書房)。
メール連絡先 yokuroi×hotmail.com (「×」を「@」にしてください) ツイッター:@YokoKuroiwa

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