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考える力を身につける

毎月定例の全体ミーティング。毎回、私が適当にトピックを選び、グループ討論を促し、従業員たちの考える力を養う。今回は、「説明会」をトピックに選んだ。説明会は、七厘を配布する前に一時間ほど、難民たちに七厘の使い方について説明するものだ。

「七ヶ月前と、今とで、説明会の様子は変わりましたか?」と尋ねた。そしたら、皆、頷く。「どんな風に変わりましたか?」と再び尋ねると、「前は150人も説明会に参加していたけど、今は30人くらいです」という。

私:どちらの方が、より効果的な説明会ができたでしょう?
従:30人の方です。
私:それは、どうしてでしょう?
従:人数が少ないから、収拾がつきやすい。参加者の注意を引きつけやすい。
私:150人を一度に説明していた時は、皆、説明に耳を傾けていたでしょうか?
従:いいえ。隣の人とべちゃくちゃ話している人のいれば、子供の世話をしている人もいました。
私:そうでしたね。では、皆さんに尋ねますが、150人で説明会をしている時、収拾がつきにくいと感じた時、なぜ「参加人数を減らそう」という提案ができなかったのでしょうか?

今回のグループ討論の核心部分に入った。これを彼らに尋ねることで、彼らにも工場運営について意見を述べることができるということを知ってもらいたかった。しかし、彼らからの答えは、私の予想通りのものだった。

工場Bでは、

 「工場長が来る前は、私たちと前工場長との関係は希薄でした。前工場長に何か提案できるような雰囲気はなかった」

工場Aでは、

 「工場長が、七厘の配布数を増やすように指示したから、そうせざるをえなかった」

工場Bの指摘については、師弟関係が希薄だったのは事実だろうが、もし、彼らが本気で説明会について考えようとしていたなら、いくら関係が希薄であっても、一度くらい提案できなかっただろうか。

工場Aの指摘は、少し的外れで、私は、配布数を増やせといったが、それを一日で配布しろと指示した覚えはなかった。150を一日でするのではなく、5日に分けてすればいいだけの話なのだ。

二つの工場の答えは、内容は異なるにせよ、重要な共通点がある。それは「悪いのは私たちではなく、援助団体側にある」というスタンス。そして、これは、ダダーブ難民キャンプが抱える大きな問題、私が昨年3月に来てからずっと悩まされ続けた「支援依存症」という問題に行き着くこと。

昨年、国連で働いた時も、難民の青年リーダーにイベント開催後、反省点を尋ねても「援助団体がこれをしてくれなかった、あれをしてくれなかった」というだけで、自分たちの中にどんな欠点があるのか述べることができなかった。

私は七人兄弟の末っ子で、とにかく家族皆に可愛がられた。そのおかげで、甘えん坊の典型で、自分の中に気に入らない部分があったら、それを全部、親や兄弟のせいにしてきた。おかげで、自分と正直に向き合うこともなく、成長することもできなかった。

20年間、幼少のころからずっと生活保護を受け続けて生きてきたらどうなるだろうか。ダダーブにはそういう人が10万人以上いるのだ。

なぜ、従業員たちは、「説明会の人数を減らそう」という提案ができなかったのか?なぜ、そういう考えを抱くに至らなかったのか?そして、なぜ、その失敗から学ぶということができないのか?私は従業員たちに問い続けるつもりだ。
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頑張ってるね!
色々な問題があるんだなと、毎回びっくりさせられてるよ。

なぜ出来なかった追求するのもそうだけど、その成功体験から次はどんな事が出来るのか考えるのも楽しみだね~

No title

けんちゃん、ありがとう。そういうポジティブな考え、大事だよね。自分は、いつも、人の揚げ足を取るところがあるので、とてもありがたいアドバイスです。これからもよろしくー。
プロフィール

seventh star 7

Author:seventh star 7
黒岩揺光  
1981年、新潟生まれ。7人兄弟の末っ子。15歳で米国留学して以来、住んだ国は計8カ国に。海外生活計17年。日本では毎日新聞記者、アフリカでは難民キャンプの工場長、アゼルバイジャンで主夫、ジュネーブで国連職員などを歴任。現在は中東ヨルダンで妊娠した妻に寄り添う専業主夫。
 著書に「僕は七輪でみんなをハッピーにしたい」(ユーキャン)「国境に宿る魂」(世織書房)。
メール連絡先 yokuroi×hotmail.com (「×」を「@」にしてください) ツイッター:@YokoKuroiwa

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