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釣りの名人がいる町に魚を寄贈すること

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難民キャンプの市場を歩くと、インターネットカフェ、薬屋、診療所、ホテル、レストラン、両替商、海外への送金会社、雑貨屋、家具屋、携帯電話屋などなどがあり、20年間の難民生活によって培われた彼らの潜在能力には驚かされる。しかし、治安の関係で、私を含め援助団体関係者はキャンプを自由に動き回ることができず、難民たちに実際どれだけの能力があるのか知るのは難しい。

援助団体が難民の能力について知らないというのは、適切な支援の提供を難しくさせる。釣りの名人がいる町に、魚をたくさん寄付したら、名人の仕事を奪うことになる。つまり、難民が自分たちで提供できるものを、外から持って来た場合、彼らの「援助慣れ」は促進され、支援がかえって彼らの能力開発の機会を奪ってしまうことになるのだ。

私たち、ライフラインの七厘も例外ではない。私が工場長になるまでは、七厘に取り付ける鉄のフレームは、当初、ダダーブから500キロ離れたナイロビから取り寄せていた。雨期になると、ナイロビとダダーブの間の道路は寸断されることもあり、生産が滞ることもあった。しかし、先週、モウリドに案内されて行った、ある難民の家で驚くべきものを発見した。

私たちがこれまで購入してきた鉄のフレームよりも丈夫な代物が、その難民宅で作られていた。バロックという31歳の男性は、1992年に難民キャンプに来てから、ずっと大工として生計を立ててきた。ソマリアで消息がわからなくなった父親から技術を学び、12歳でキャンプに来た時には、すでに他人から注文を受けられるほどの腕前だった。鉄のフレームだけでなく、机、椅子、小屋なども作れるという。

ライフラインが、最初からバロックから注文をしていれば、それが、他の難民にも波及し、バロックの技術はもっとキャンプに広まっていたのかもしれない。

ライフラインだけじゃない。今年、ある先進国の政府系援助機関は、ダダーブの学校に3万個以上の机を寄付した。その内、1万個ほどは、中国から取り寄せた物だ。バロックは、「難民キャンプ内で生産できるものを、なぜ、わざわざ、中国から取り寄せなくてはいけないのか?なぜ、援助団体は、私たちに仕事をくれないのか?」と嘆いた。

 バロックは、20年間、一度も援助団体から仕事をもらったことはないという。私は彼に伝えた。「私たちとの仕事がうまくいけば、あなたの存在が知れ渡るように頑張るよ」。
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Author:seventh star 7
黒岩揺光  
1981年、新潟生まれ。7人兄弟の末っ子。15歳で米国留学して以来、住んだ国は計8カ国に。海外生活計17年。日本では毎日新聞記者、アフリカでは難民キャンプの工場長、アゼルバイジャンで主夫、ジュネーブで国連職員などを歴任。現在は中東ヨルダンで妊娠した妻に寄り添う専業主夫。
 著書に「僕は七輪でみんなをハッピーにしたい」(ユーキャン)「国境に宿る魂」(世織書房)。
メール連絡先 yokuroi×hotmail.com (「×」を「@」にしてください) ツイッター:@YokoKuroiwa

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